『呼吸及び発音の仕方に気を付けて、自然で無理のない、響きのある歌い方』とは。歌唱指導苦手さんにも見てほしい!

🎺音楽教育

こんにちは!
元音楽の先生、みきちです☺️

今回は、音楽の先生を目指している方や初任者の方に見てほしい…!🔰

指導要領にて、A表現(1)ウ(イ)(高学年歌唱活動の技能の目標。)とされる、

『呼吸及び発音の仕方に気を付けて、自然で無理のない、響きのある歌い方で歌う技能』

↑こちらについて!
この表現を、

☑どう解釈するか

☑具体的にどう指導するか

について、私なりの見解を述べたいと思います!

💡この記事で分かること💡

☑歌唱の技能について、指導要領の解釈案

☑歌唱の技能を向上させる指導方法

もう少し分かりやすい言葉で言い換えると…

『呼吸及び発音の仕方に気を付けて、自然で無理のない、響きのある歌い方で歌う技能』

この部分について、解説されている部分を引用すると、

『児童一人一人の声の特徴を生かしつつも、力んで声帯を締め付けることなく、音楽的には曲想に合った自然な歌い方で、歌声を響かせて歌うことである。』

とあります。

分かるような、分からないような…(笑)

色んな要素が絡み合いすぎているから複雑に感じるのでは?と思ったので、要素ごとにまとめ直して、私なりに言い換えると…

①『正しい呼吸・発声・発音で歌う』
②『一人一人が元々持っている声の音色で歌う』
③『音楽的に、曲想に合った歌い方で歌う』

こういうことではないでしょうか!

ん?『歌声を響かせて~』はどこいった??

→①の解説を読めば解決できるかと…!

結論 目指すべきゴールは…

先に結論!じゃあ教師は目標達成のためにどんな指導ができたらいいのか!
上記の3点に分けて述べます。


(そして、くどいようですがあくまで私の解釈になりますのでご容赦ください…🙇‍♀️🙇‍♀️)

正しい呼吸法や日本語の発音を普段の授業で習得させる

☑1人1人音色は違っていいことを指導する
☑曲の特徴を押さえ、共通言語で曲想に合った歌い方を考える

これができていれば、目標を達成していると言っていいと私は考えます!🙆‍♀️

各項目の解説は続きをご覧ください!

①正しい呼吸・発声・発音で歌う

まず、正しく歌うには呼吸が超大事!

正しく息を吸って、正しく息を吐くことができれば、歌うこと自体の技術面は全て解決します。

そして、正しく身体を使って歌えている=歌声が響いている状態です。

どうしたら響く歌声が出るのか。それは間違いなく、正しい発声で歌えているかどうかです。
そして、自分の声を自在に操れるようになれば、歌うことが好きになるはず!

自分の声を思い通りに出せる!→歌うのが楽しい!
となるような、正しい呼吸法を丁寧に伝えましょう。

具体的な指導方法

正しい呼吸と発声を習得させるには…

呼吸に使う身体の部分を意識させるために、歌の筋トレをしましょう!
まずはこれがオススメ。

具体例 『吐く・吸う・吐く』


息を全部吐いて、限界まで吸って、一定の量で吐き続ける。という超シンプルな活動です。

詳しい指導方法はこちらの記事にて紹介していますので、気になる方はご覧ください♪

正しい発音を習得させるには…

こちらは一気に教え込むのではなく、曲ごとに指導するポイントを絞って、コツコツレベルアップを図りましょう!

指導のポイントは

①母音
②子音
③濁音
④鼻濁音

など。と、指導要領にあります。

具体例 『Believe』の指導にて

上記の指導のポイント①母音②子音を取り上げてみます。

定番曲『Believe』では、1番と2番で歌詞の内容が大きく変わる所があります。

1番:かなしみや くるしみが(暗い内容)
2番:あこがれや いとしさが(明るい内容)

この時、母音と子音も大きく変わっていることに気付かせましょう。👀

カ行の破裂音、ア行(母音)の温かさに注目させて、歌い方を考えさせる…なんていかがでしょうか!

②一人一人が元々持っている声の音色で歌う

少し考えれば当たり前のことなのですが…

Aさんが理想的な歌い方で歌った声とBさんが理想的な歌い方で歌った声

全く同じ音色(響き)になるでしょうか?

答えはNOですね。みんなの話し声が違うように、歌声も一人一人違います。

そもそも、なんでみんな声が違うの??

いきなり結論!

声道(声帯から息が通ってくる場所)の形(凹凸)がみんな違うから

左の画像の色が塗られていない部分が ‶声道” です。

一人一人楽器の形が違うので、当然出てくる音色も異なります。

つまり、『いい歌声』の音色は人それぞれ
音色はみんな違っていいんだよ~!と、子ども達にしっかり伝えましょう。

具体的な指導方法

具体例 『いい歌声』の音色は人それぞれ!の、伝え方

【その1】

身体は声が出る楽器!と考えて…

リコーダーはみんな同じ形だけど、声道は一人一人形が違う。つまり全く形の違う楽器を持っているわけです。楽器が違うんだから出る音色も違って当たり前ですよね。

【その2】

合唱の映像を見せた後(音源を聴いた後)に…

素敵な合唱でしたね~!
実は、合唱は元々アマチュアの人が集まって歌っていたものなんです。
一人一人違った音色でも、こうやってみんなの声が合わさると綺麗に聞こえるんだよ。

③音楽的に、曲想に合った歌い方で歌う

まず用語の確認です。

曲想=その音楽に固有の雰囲気や表情、味わい

と、指導要領にあります。

優しい感じの曲、元気が出る曲、力強くて勇ましい曲…など。聴いた時にどう思うか、だと思っています。

では、どう指導するか考えます。
私が考える重要なポイントは以下の2点です。

教師も児童も曲の特徴を捉え、理解する

全員が理解できる言葉を使って「こんな感じで歌いたい」の共有をする

一つずつ解説します♪

①教師も児童も曲の特徴を捉え、理解する

時間効率が求められる高学年、まずは教師が教えるポイントを絞りましょう。

この時便利なのが、共通事項

教師が十分に楽曲分析をし、この曲はここが特徴的だ!と思った所を共通事項に沿って1,2個ピックアップしましょう。

(3つ以上だと広がりすぎてしまいがち…。どうしても触れたい場合はメインの軸に置かず、さらっと提示する程度にしましょう。既習事項の復習程度なら◎)

速度は?リズムは?旋律の動きは?

音で聞いた感覚的な情報→論理的な情報に整理します。

②全員が理解できる言葉を使って「こんな感じで歌いたい」の共有をする

感覚的にこんな感じで歌いたい!という気持ちはあっても、的確な言語化は大人でも難しいですよね。

でも、曲想に合った歌い方を使用としているか、判断しなければなりません。

じゃあどうするか。

普段の授業からボキャブラリーを貯金しておきましょう!!

そんなことは分かってるけど、どうやってするか考えたり教材作ったりする余裕ないよ~~!

という声が聞こえてきそうなので、

鑑賞を中心にいつでもボキャブラリーを増やせるような仕組みづくりができるツールをご紹介します!✨

具体的な指導方法

具体例 Google Jam Boardやロイロノート、Mentimeterを使いこなす!

どれもリアルタイムで考えを共有したり、表のように視覚的にわかりやすくまとめたりすることができます。

ちらっとお見せすると、Jam Boardを使った例はこんな感じ。

Jam Boardでボキャブラリーを貯金する例。教師が代表して付箋を貼っていってもいいし、児童に書かせることもできる。

⚠ GoogleJamBoardは2024年10月1日以降、作成・編集ができなくなります。

 代替として、FigJamなどのホワイトボードツールが使えそうです!


こちらはMentimeter。この曲の第一印象を教えて!どんな曲だった?なんて質問に答えさせたいときも便利です✨

Mentimeterにて作成 多い意見が大きく表示されています

しかもどのツールも匿名にすることができるので、安心して発表できるところが最高です。

学校の環境によって何が使えるかが異なるので、こちらの書籍が大変参考になります!おすすめ!

まとめ ポイントを理解して歌唱指導を♪

学習指導要領を私なりに翻訳すると、以下の通りでした!

正しい呼吸法や日本語の発音を普段の授業で習得させる

☑1人1人音色は違っていいことを指導する
☑曲の特徴を押さえ、共通言語で曲想に合った歌い方を考える

先生方、先生を目指す方のヒントになれば幸いです♪

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