こんにちは!元音楽の先生、みきちです☺️
今回は、令和6年度の教科書から新出の歌唱曲、『ペガサス』について、指導の流れをご提案します!
💡この記事で分かること💡
☑『ペガサス』の歌詞考察
☑『ペガサス』の指導の流れの例
題材の意図
指導書では『オリエンテーション的位置づけ』とされています。
本記事でもその前提でのご紹介となりますが、評価項目など、内容を少しアレンジしています!
今回は、
①見つける…旋律、歌詞の内容から大切だと思う部分を見つける。
②考える…見つけた部分のふさわしい表現を考える。
③歌う…自然で無理のない、響きのある歌い方で、考えたことを2部合唱で表現する。
の3本立て、2.5時間想定でいきます!
💡『③の自然で無理のない、響きのある歌い方』は別記事にて解説しています。
気になる方はこちらからどうぞ。
歌詞の意味
この曲の歌詞、分かりそうで分かりづらくないですか…?!
私なりに分析してみました!(あくまで個人的見解です。)
1番
・始まりの窓=スタートライン
・青空=夢を追いかける舞台
・風=追い風
・夢=地図を頼りに、これから探しに行く(夢はまだ見つかっていないと解釈するなら。叶えたい夢があって、それが目的地とも捉えられますね。)
・自由=明るい未来
これからはばたいていくんだ!新しい世界、夢に向かって飛び立とう!
といった、期待感や希望に満ちている様子が窺えます。
2番
・あこがれ、ひらめき=こうなりたい、こんなことができる、といった期待を持って。
・だれか、みんな=1人じゃない。仲間と一緒に。
・いのちの息=君が新しい物語を始めさせるんだよ。
・それぞれの神話=1人1人違う人生を歩んでいく。人生の内容は違うけれど、同じ「明日」につながっているね。
ちなみに、ペガサスとは…
ギリシャ神話に登場する神馬です。🐎
翼をもち、空を飛ぶことができます。
それにちなんで『神話』を『ものがたり』と読ませているのだと思います。
指導の流れの例
全体の流れと準備すること

表にまとめてみました!
内容だけ取り上げるとざっくり以下のような流れです。
【第1時】
・歌詞と旋律の特徴を見つける。
・ソプラノとアルトの音取り
・強弱記号の確認
【第2時】
・歌詞と旋律の特徴的な部分について、歌い方を考える。
・2部合唱に挑戦する。
【第3時】
・前時までに考えたことを歌で表現する。
・斉唱と合唱の響きを味わいながら歌う。
【準備】
今回の流れでポイントになるのは ①歌詞 ②旋律 です!
上記2つについて気付いたこと、考えたことをさくっと書けるワークシートを準備しましょう。
ロイロノートやFigJamなどが考えを見取るのに便利!
FigJamを使った例はこんな感じ

FigJamで確認したい方はこちらからどうぞ♪
第1時 見つける
今日のゴール(めあて)
めあて:『ペガサス』の歌詞と旋律の特徴を見つけよう
歌詞・旋律に注目して聴く
最初に2回曲を聴きます。
1回目:歌詞だけを見て聴く。その後、歌詞の内容・意味を確認します。
次に、以下のような発問をします。

1番印象的だった歌詞は何ですか?
1番大事だと思った歌詞は何ですか?
近くの人と相談させたり、ホワイトボードツールなどで考えを共有したりしましょう。
歌詞になくても、歌詞から連想する言葉があれば、それも書きます。

2回目:旋律に注目して聴く。
音源を聴いて、旋律について気付いたことを同じように共有しましょう。

なめらか
斉唱と合唱がある
音が上がると強さも強くなる(曲の山がここにある)
こんな発言を誘います!笑
(斉唱と合唱の違い、曲の山には気付かせたいところ…!難しそうだったら、「この部分とこの部分を比べて、どんな違いがありますか?」など、ヒントを与えましょう!)

歌って旋律の特徴を確かめる(ソプラノ音取り)

今見つけてくれた特徴を確かめるために、実際に歌ってみよう!
今日は、特に旋律に注目します。
ソプラノの練習に入ります!メロディーが分かればいいので1番だけで十分。
スモールステップ作戦でいきましょう!
1回目:鼻歌で一緒に歌う
声掛け例:「歌詞で歌えそうな人は歌詞でいいし、まだ難しいかな~って人は鼻歌でもいいよ!」
2回目:小さい声でもいいから、歌詞で歌ってみる
声掛け例:「今度は全員歌詞で歌ってみよう!小さい声でもいいよ!」
3回目:強弱もつけて歌ってみる
声掛け例:「みんなの声が聞こえてきたね!いい感じ!強弱もつけてみようか。」
→強弱記号の確認をする。

やっぱり音が上に上がっていくときは、だんだん強くしてくださいって書いてあるね。
そこを意識して歌ってみよう!
歌って旋律の特徴を確かめる(アルト音取り)
ソプラノがある程度歌えるようになったら、アルトの音取り!
アルトは部分ごとに分けながら、聴く→歌うを繰り返すのがおすすめ!
※ア・イ・ウ・エ・オ=教科書の練習番号
①ソプラノと違う動きの部分、ウ(前半)の習得

旋律の動きを確かめるために、楽譜をなぞりながら聴きます。
ソプラノと違う動きをするところを見つけてね。

『羽ばたきのその先に』はソプラノと違う動きだ!

その通り!そこだけやってみようか!
先に私が歌うので、私(または音源)に続いて鼻歌で歌ってみよう!
同様に『ル』でも歌ってみましょう♪
②その続き、ウ~オの習得
続きもやってみます。
「羽ばたき~見える」まで、①と同じ手法で歌えるようにしましょう!
③ソプラノと同じ動きの部分、イ(後半)の習得
「夢の~地図の上」まで、こちらも同じ手法で歌えるようにします。
飽きないように『ル』でなくて、『ラ』や『な』など、他の言葉で歌ってみるのも面白いですね。
④通して歌う
最後に、アルトだけの音源を流しながら歌詞で通して歌ってみましょう!

アルトも、ソプラノと同じように強弱がつけられるといいね!
できそうであれば、合唱の音源でアルトを歌ってもいいですね♪
第2時 考える
今日のゴール(めあて)
めあて:前回見つけた歌詞・旋律の特徴を、どう歌いたいか考えよう。
前時の復習
全員で、ソプラノ1回、アルトを2回歌います。

前回は旋律の動きに注目したね。音の上がり下がりと強弱を意識して歌ってみよう!まずはソプラノ!

次はアルト!合唱と斉唱の切り替わるタイミングを意識して歌ってみよう!
アルトの2回目は、強弱がよくできていれば、2番で歌ってもいいですね。
2部合唱に挑戦!
最初は音源に合わせて、段階的に児童だけで歌えるようにしましょう!
①ソプラノの音源に合わせて、アルトで歌う
②アルトの音源に合わせて、ソプラノで歌う
③教室を2分割して、児童だけで歌う(全員両パートを経験させる)
歌詞・旋律の特徴から、どう歌いたいか考える
まずは前時のワークシートをみんなで確認!
何を見つけたか分かる状態にします。
発問→みんなで考える→ワークシートに自分の意見をまとめる
の流れで考えを深めます。

①発問

大事だと思う部分の意見で、『夢』と『自由』があったね。確かにどっちも大切な部分だと思うけど、2つの強弱を比べてみると…どうかな?

『夢』はfだけど、『自由』はmPだ…!

どっちも大切な部分なのに、強弱がこんなに違うのはなんでだろう?
それぞれ、どう歌ったらいいかな?
②みんなで考える
近くの人と相談させる、挙手制、指名などで考えを共有しましょう。
③ワークシートに考えをまとめる

「○○だから、△△で歌いたい」の形で書きましょう。
○○には歌詞や旋律について見つけたことを書きます。
△△にはどう歌いたいかを書きます。
書き方が大事です。
見つけたことと考えたことを関連付けられるようにしましょう。

第3時 歌う
今日のゴール(めあて)
めあて:前時までに考えたことを歌で表現しよう!
今回はオリエンテーション的位置づけなので、目指す歌い方をクラスで1つに絞らなくてもいいと思います。
後で自己評価させるために、自分でこう歌いたい!と目標設定させて書かせておくといいですね◎
前時の復習
まず、各自でワークシートを確認し、前時に考えたことを復習しましょう。
次にアルトの旋律を復習します。
全員で歌って強弱なども再確認しましょう♪
速度について
教科書に速度表示について書いてあります。
軽く触れてもいいかもしれません。
(個人的には、この曲は速度が重要!というわけではない気がするので別のタイミングでもいいかなと思いました。🤔 なので、速度についてはあまり触れない形で指導計画しています。)
強弱と歌詞の関わりに気を付けて2部合唱する
今回は自分の好きなパートで2部合唱!
(ある程度の人数調整はしてあげましょう。)
ただ繰り返し練習するだけでは飽きてしまうので…
強弱と歌詞の関わりに注目します👀

楽譜に書いてあるから強くする、弱くする。それも大事なことだけど、ただの旋律ではなくて、「歌詞の意味」という大事な要素があったね。
音色は、歌詞の意味を考えて歌うだけでも変わります。
発問したり、歌い方のアドバイスしたりして、1回目、2回目と完成度を上げていきましょう。
一例を挙げておきます♪
①ここのfは強いだけ?
②ここのmPは弱弱しい感じ?
③しっかり息を吸えている?
④一気に息を吐くのではなく、少しずつ吐くイメージだよ
まとめ

この曲はこれで最後!今できることを全部詰め込んで歌ってみよう!
パートを変えてもいいよ!
最後に振り返りをします。
最初に建てた目標を達成できたかシートに記入して終了です!
6年生のスタートにぴったりな曲
『ペガサス』の歌唱指導についてでした!
他の曲でも通用する進め方だと思いますので、実態に合わせて上手く活用していただけたらと思います!
少しでも先生方と子どもたちの力になれますように🌷